ニセコ に「お試し移住」をした理由

Away from My Love @Nashy, 2021

パンデミックにより、見直されている働き方、ライフスタイル、価値観。

昨今、地方での転入者数が増えていると聞く。もうすでに移住をした方も、移住を考えている人も、移住まではいかずとも、ワーケーションで数ヶ月リフレッシュしたいと考えている人も多いのではないだろうか?

そんな人たちに向けて、本日は、なぜ私たちが「今」北海道のニセコ にお試し移住したのかをお伝えし、こういう人もいるんだなーぐらいに認知してもらえたら嬉しい。そして、移り住むことを検討している方には少しばかりでも参考になれば幸いだ。

移住への思いと背景

私にはマイケル氏という、西オーストラリア出身のパートナーがいる。近々、私たちは家族になるので、子ども(ご縁があればではあるが)やペットとも一緒に暮らしたいと思っている。

そうなると、「専有面積」=スペースが必要になる。

長年住んだ東京には、愛着はある。友達もいて楽しい。
皆でお酒を飲み、自分の足で、電車で帰ることができるのは最高だ。(車社会だと、そうはいかない)

だが、自然の中でのびのびと育った私たちにとって、決してコスパが良いとは言えない東京の家賃・専有面積の狭さにそろそろ思うところがあり、近い将来、地方移住することを検討していたところだった。

なにより、自然に囲まれて暮らす生活が恋しい。小鳥のさえずりで毎朝目覚めたい!(...ただ年とって落ち着いただけか?)
東京では、週末に、重たいバックパックやスノボセットを担いで、電車に乗って山登りやスノボに行く、なんていうライフスタイルが続いていたので、それだったら、ベースが田舎で、週1回東京に行く方が良いではないか?

いま、東京に居る必要ある?

昨年2020年、パンデミックの影響で、マイケル氏の会社は早々にリモート化した。すでに1年ほどリモートワークを続けているが、今のところ問題なく働けているようだ。

そしてしばらく経ってから、私たちは気づいてしまった。

「いま東京に居る必要ある?」

でも、コロナが落ち着いたら、マイケル氏は東京のオフィスに通うスタイルに戻ると思われる。チームで働いていれば、直接顔を合わせている方が効率が良い時もある。

ただ、それがいつになるか?本当にそうなるのか?遠方で暮らしていても半分オフィス・半分リモートは可能だろうか?...と、色々なパターンの人生イメージが思いつくが、こればかしは今こちらでどう動けるわけでもないので、世の中の動向に身を任せるしかない。

とりあえず、今しばらくはリモートのままだろう、という見立てから、まずはハードルの高くない「半年」を目処に、どこかに「お試し移住」体験してみようということになった。いつか本格的に移住をするとなった時のための、準備期間ということにしてだ。

大好きな友人らと離れるのは寂しいが、いくらでも会いに行けばいいし、会いにきてもらえる。

しかも、半年後には、私たちは東京に戻ってくる。(予定は未定)

移住先はどこにしようか?という問い

山が好きな私にとってお気に入りのエリアで、それでいて東京まではそう遠くない、下記のエリアが候補に上がった。

長野の松本、安曇野、白馬。
富山の立山町。
(長野、富山LOVE!)

自分の「あ、この町好きかもという直感」を信じてみるのも良いと思う。

「シーズン」で考える移住先

マイケル氏は海とともに育ってきたので、海がきれいな沖縄なんかも良いなと思った。

けれど、シーズン的に今は冬だ。

私たちはスノボをやる。特にマイケル氏はスノボが好きで、しかもうまい。スノボのために、10年前に日本に移り住んできたほどだ。
一方の私はというと週末限定スノーボーダーなので、万年初心者を抜け出せない。(詳しくは自己紹介にて)
でも、好きだからなんだかんだ続いている。

せっかくなら「ゲレンデ の近くにする?」という会話から、白馬や斑尾、新潟の妙高なんかもいいね、と話が盛り上がり、いよいよ収拾がつかない。

どちらが先に言い出したかは忘れたが、「え、どうせならニセコ 行っちゃう?」というノリの発言と、その後にくる絶妙な間合い。「ストン」というオノマトペ が聞こえてきそうなほど、腑に落ちてしまった瞬間だった。

「人がいないニセコ 」というのが大前提のもと

「ニセコ の雪が良い」というのは、ウィンタースポーツ好きであれば、割と浸透している情報だと思う。

そして、「冬のニセコ が外国人で溢れかえっている」というのもまた、そのコミュニティでは知れたことだ。別の記事でも書いたが、「冬のニセコ は日本にある外国」と揶揄されるほどだ。(長野の白馬も冬はこんな感じだ)

それらを踏まえると、雪が良いのはわかるが、「人混みの中に、わざわざ行くか?」となれば答えはNOだ。だから、これまでニセコ に訪れたことは一度もなかった。

だが、今年はちょっと違う。パンデミックの影響で、観光客がいない。
空いているゲレンデ に「贅沢」を感じる人種からすると、それは天国だ。

なんなら、「観光客が減って、大変な状況下にあるニセコ を少しでも応援しようぞ!」という大義名分のもと(余計なお世話である)、ニセコ に移住することに決めた。

良い物件に出会えたということもある

移住先候補リストにあげられたすべての町の賃貸はざっとググっている。
その上で、移住先をニセコ に決めたのも、たまたま、住み始めるタイミングや期間、コストの面で、自分たちの希望にマッチした物件に出会えたという事実があったことも大きい。

その時はニセコ の神様のようなものから「ニセコ 来いや」と通行手形をいただいたようで、運命を感じた。

斯くして、「いま東京に居る必要ある?」と思い始めてから、2週間のうちに、私たちはニセコ の地に降り立った。思い立ったら行動は速い。

それから、毎日の雪かきや、マクドナルド羊蹄山が"ない"ニセコ と向き合うことになっていくのであった。

以上、これが私たちがいまこのタイミングでニセコ にお邪魔している理由だ。

もともと移住癖の強い私たちではあるものの、「リモートワークができる今」、「観光客のいない今」だから実現できたことでもある。

そして、移住してみて本当に良かったと思っている。

ニセコ から東京に戻ってきたときに、やっぱりニセコ に住み続けたいという思いがあれば、そのときに、それが実現できる方法を考えることにしよう。

おわりに

パンデミックがもたらした災いは大きい。

その一方で、リモートワークの導入などにより、日本の働き方が急成長した。...というか、変化することを余儀なくされた。

もしかしたら、災いがなければ本来10年かかってたどり着いていたであろう10年後の日本を、いままさに、10年・前倒しで、わたしたちは見て、体験しているのかもしれない。

この今ならではの、変化し続ける不安定さや不確定さみたいなものを、言語化し、かみしめて、できれば楽しんで、暮らしていきたいと思っている。

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雪かきが大変すぎて、マインドフルな境地に至った。