ニセコに住む人々 #02 不動産会社 Tさん - 陳腐な同情なんていらなかった

同情するなら金をくれ @Nashy 2021

この記事は「ニセコに住む人々」シリーズの第2回目だ。

今回は、私たちがいま住んでいる賃貸物件のあれこれを手伝ってくれた不動産会社のTさんを勝手に紹介したい。ちなみにTさんは、以前のエッセイにも登場している。除雪の外注を提案してくれた人だ。

Tさん

移住前、ニセコ の賃貸物件を調べていると、さっそく気になる物件があった。その物件を取り扱っているのが、某不動産会社の担当・Tさんであった。

Tさんは日本人男性で、年齢は40代くらいだろうか。
不動産会社のホームページにチーム紹介ページがあるのだが、Tさんの紹介には「若き日から旅好きで各国に滞在し、ここ近年はニセコ をベース」としている旨が載っていた。

「なんだかこの人、同じ匂いがする...。」といった印象で、Tさんとやりとりしている間も、勝手に親近感を感じていた。(迷惑である)

Tさんとのメールのやりとりは実にスムーズで、気持ちがよかった。
私は以前営業の仕事をしていたのだが、それ時代に叩き込まれたのが「即レス・即対応」だ。Tさんはこれをやってくれる人だ。とにかく速い。客側になって感じる、「即レス・即対応」のありがたさというものよ。

メールの文面も、重要なポイントは単刀直入に教えてくれて、わかりやすい。丁寧すぎず、堅苦しさのない、さわやかな印象。Tさんの仕事に対するただならぬプライドを感じた。

交渉成立!

オーナーさまが夏期の別荘として使用している物件を、交渉のすえ、2021年の5月中旬まで借りられることになった。家賃も少し安くなった。Tさんには感謝しかない。

この物件、すごく気に入っている。三角屋根の木の家で、かわいい。住み始めてから2ヶ月にも満たないが、もう愛着が湧いている。

ニセコ に着いて数日してから、Tさんにお礼のあいさつに行こうと思い、連絡すると「昼過ぎから出勤するのでそれ以降ならいつでも」とのことだったので、夕方頃会社にお邪魔した。

お気楽なTさん

Tさんは我々を招き入れると、こう続けた。

「いやあ今年のニセコ は最高ですよ〜。空いてるし雪も良い。今日も朝滑ってから仕事でした〜。」と、なんともお気楽ムードだったので拍子抜けしてしまった。

なるほど、「昼過ぎから出勤するのでそれ以降なら」って言っていたのは、こういうことか...。

このやりとりに、私の心もふっと軽くなったのを覚えている。

移住の際に、「観光客が減って大変なニセコ を応援しよう、うんぬんかんぬん...」というニセコ 移住の大義名分を掲げ(詳細は以前のエッセイにて)ニセコに住む人らの身を案じていたのだが、この調子である。

同情なんて、いらなそうだ。

そうだ、今のニセコ に陳腐な同情なんていらないのだ。
ニセコ にいる人たちは、思った以上に、観光客のいない非日常をのびのびと楽しんでいるようにさえ見えた。

それに、「同情するなら、金をくれ」というものである。
なるべくAmazonをポチらず、ニセコ のローカルショップで買い物をしよう、と心に決めた瞬間であった。

Previous
Previous

トリプル羊蹄ビューが贅沢すぎてラッキーな気持ちになった

Next
Next

ファースト・トラックを求めてやまない人たち